宮川朋弘
新日本有限責任監査法人
国際部 シニアパートナー
宮川 朋弘

グローバル企業におけるIFRS導入プロジェクトの成功要因には2つの要素がある。1つは「グローバル企業」、もう1つは「導入プロジェクトの成功要因」という要素である。ここで言うグローバル企業とは、「経営の全体的調和が図られていること」「統一された経営戦略の実行」という2つの条件を満たした企業を指す。

では、IFRSの導入を機にグローバル企業は何を目指すべきだろうか。IFRSにはそもそも1つの尺度でいろいろなものごとを計る機能がある。その効果を最大限に発揮することで、さまざまなGAAP(会計基準)の集合体としての連結業績ではなく、統一された尺度に基づいた、より経営に役立つ情報の入手・活用を目指すべきだろう。

ただ、導入プロジェクトの成功といった場合、高い目標を実現した場合だけを成功とするのは間違いである。言い換えると、成功を企業としてどう定義づけをするかが重要だ。プロセス、システムの標準化を進め、スムーズなIFRS移行を起点として、次にIFRS移行後のコスト・リスクを最小化したり、さらには経営管理機能強化まで達成するのか、目標レベルの設定をどこに置くかがポイントとなる。

この標準化こそが、導入プロジェクトの成功要因である。標準化を進めれば進めるほど、経営管理機能強化につながる。その結果として、将来のコストを削減したり、経営判断に資する迅速で正確な情報がタイムリーに入ってくるようになるだろう。


日本経済新聞 2010年7月8日 朝刊 広告記事より抜粋