第4回のテーマ

この連載も最終回となりました。この連載を通じて、少しでも業務プロセスにおける内部統制の理解を深めていただければうれしいです。最終回の第4回は、棚卸プロセスにおける内部統制を取り上げます。
今回のテーマである棚卸プロセスは、大きく分けて①現物のカウント②集計③会計帳簿への棚卸差額仕訳起票という三つのステップからなります。

棚卸プロセス

I 現物のカウント

~現物のカウントはどのような流れになっているか?~

会計花子:
(以下、花子)
イチローさん、今日は3月31日。ニュージャパン販売株式会社の棚卸しの日ですよね。棚卸プロセスの最初のステップである現物のカウントは、どのような流れになっているか教えてもらえますか?

統制イチロー:
(以下、イチロー)
はい。現物のカウントは、物流管理部門が、倉庫のロケーションごとに、カウント担当と記入担当の2人組みで行います。①2枚複写式の棚卸票が各ロケーションに配布されます②カウント担当がカウントし、記入担当が品名・数量を確認の上棚卸票に記入し、商品に張り付け、2人とも押印します。

現物のカウントはどのような流れになっているか?

~なぜ棚卸しのときは商品受け払いを停止しないといけないのか?~

花子:
具体的にどんな作業になっているか、倉庫を見てもいいですか?

イチロー:
いいですよ。A倉庫に行ってみましょう。

(A倉庫に移動)

花子:
あれ、商品を動かしていますね?何をしているのですか?

イチロー:
本日の入荷と出荷作業を行っているのですよ。

花子:
棚卸しのときに商品の受け払いを停止していないのですか?停止しないと駄目ですよ。

イチロー:
なぜ、受け払いを停止しないと駄目なのですか?

花子:
受け払いを停止しないと、同じ商品の二重カウントや、カウント漏れが置きやすいからですよ。二重カウントやカウント漏れをしてしまうと、数量を正確にカウントできなくなってしまいますよね。

イチロー:
(しゅんとして)分かりました。これから棚卸しのときは、受け払いを停止するように指導します。

なぜ棚卸しのときは商品受け払いを停止しないといけないのか?

~なぜすべての商品に棚卸票がついていることを、確認しないといけないか?~

花子:
あれ、この付近一体の商品、全部、棚卸票がついてないですよ。カウント漏れしているのではないですか?

イチロー:
本当だ。確認します。

(倉庫の人と話した後、帰ってきて)

イチロー:
この場所は商品の臨時保管場所なのですが、棚卸担当者の振り当てがされておらず、カウント漏れしていたそうです。花子先生、ご指摘ありがとうございます。

花子:
商品を数え終わったら、棚卸責任者は、すべての商品に棚卸票がついているか、確認しなければいけませんよ。今回のように、カウント漏れがある場合がありますからね。

イチロー:
分かりました。棚卸責任者に確認するよう、しっかり言っておきます。

なぜすべての商品に棚卸票がついていることを、確認しないといけないか?

II 集計

~集計はどのような流れになっているか?~

花子:
イチローさん、棚卸プロセスの2番目のステップである集計は、どのような流れになっているか教えてもらえますか?

イチロー:
はい。①まず、棚卸担当者が、商品に張った2枚複写式の棚卸票のうち1枚を回収します。②物流管理部門が回収した棚卸票に基づき、商品の在庫数量を在庫システムに入力します。③入力者とは別の者が、在庫システム入力結果と棚卸票を照合し、入力間違いがないかチェックします。

集計はどのような流れになっているか?

イチロー:
それから、④在庫システムが帳簿残高と現物残高に差異があるものを集計して、棚卸差異一覧表を自動で作成します。⑤棚卸差異一覧表の結果について、物流管理部門が理由を調査して、棚卸差異理由調査書を作成し、棚卸差異一覧表と差異理由に応じた納品書・出荷伝票等の関連帳票のコピーを添付し、経理部に渡します。

集計はどのような流れになっているか?