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新たな収益認識モデルの最終基準化に向けた更なる取組み
重要ポイント
  • IASBとFASBは、ロイヤルティ契約や一定の条件を満たした場合に追加で支払われる成功報酬など、変動性のある(不確実な)対価が存在する場合の取引価格の見積りについて結論に達した。
  • 両審議会は、取引価格の配分に関し、相対的な独立販売価格に基づく方法を維持することとした。しかし両審議会は、一部の履行義務の独立販売価格の見積もりに際し、残余法(ある財又はサービスの独立販売価額を、取引価格の合計から契約における残りの財又はサービスの独立販売価額を控除することにより算定する方法)の使用を認めることに同意した。また両審議会は、不確実な対価が存在する一定の状況においては、他の配分アプローチの使用を認めることとした。
  • 両審議会は、ライセンスや無形資産(知的財産)の使用権、買戻オプション及び履行コストの会計処理について暫定的な決定を行った。

概要

国際会計基準審議会(IASB)と米国財務会計基準審議会(FASB)(以下、総称して「両審議会」)は、4月に開催した会議において、収益認識に関する公開草案(以下、「公開草案」)の再審議における重要な論点のうち、いまだ結論に至っていない残りの課題ついて審議を行った。これらの審議事項には、不確実な(変動性のある)対価や取引価格の配分に関する会計処理が含まれる。両審議会はまた、提案されたモデルを特定の取引にどのように適用するかに関し結論に至った。

本稿は、これら審議の進展について要約したものであり、2011年4月に発行したIFRS outlook増刊号第99号「新たな収益認識モデルの具体化」の続編である。

不確実な対価を含む取引価格の算定

公開草案では、受け取ると見込まれる対価を確率で加重平均した金額に基づき、不確実な(変動性のある)対価を含む取引価格を、契約の開始時点で見積ることが求められていた。多くの関係者は、この規定は必要以上に複雑で、意味のある結果をもたらさない場合があると考えている。たとえば、起こり得る結果が2つしかない状況では、確率加重平均アプローチを用いて算定された結果は、実際に受け取る可能性のない金額を表すことになる。

両審議会は、確率加重平均アプローチを用いることにより最終的に受け取る対価を最も適切に予測できるのであれば、これを使用すべきであると暫定的に決定した。そうでない場合は、最も受け取る可能性が高い金額に基づき取引価格を見積らなければならない(ただし、起こりうる結果が二者択一でない場合に、「最も可能性が高い(most likely)」という基準が何を意味しているのかは明確ではない)。

しかし両審議会は、不確実な対価は、その受取りが確実な場合にのみ、収益として認識すべきであると考えた。両審議会は、顧客が契約に違反することなく変動する対価の支払いを回避できる場合には、当該対価の受取りは確実であるとは言えないと結論づけた。たとえば、売上に基づき企業に支払われるロイヤルティは、ロイヤルティの基礎となる売上が発生するまで、その受取りは確実であるとはみなされない。

また、企業に類似する販売契約の経験がない場合、又は過去の実績から将来の結果を予測することができない場合には、不確実な対価の受取りは確実であるとは言えない。両審議会は、過去の実績に基づき不確実な対価に関し受け取ると予測される金額を見積もることができるかどうかを判断するためには、さまざまな要因を検討することが必要であると考えている。こうした要因には、予想される不確実性解消までの期間、市場価格の変動など企業が影響を及ばすことができない外部の状況に影響を受けやすいか否か、起こりうる対価の金額の数やそのばらつきの程度が含まれる。

弊社のコメント
不確実な対価の見積もりに際し最も受け取る可能性の高い金額に基づく方法の利用が認められたことから、企業は、確率で加重平均した見積もりが意味のある金額を表さない状況においては、より適切な結果をもたらすことになる見積技法を使用できることとなった。

長期にわたるロイヤルティ収入を伴う契約を締結している多くの企業は、公開草案で提案された売上に基づくロイヤルティの会計処理に対する上記の変更を、大いに歓迎するであろう。

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