急速に進行する経済のグローバル化は、すべての企業における経営戦略に大きな影響を与えています。特に日本企業は、国内需要の縮小に加え歴史的円高を背景に、事業の海外展開を急いでいます。今後も、国境を越えたグローバル・プロジェクトは、増加の一途を辿ると考えられます。しかし、グローバル・プロジェクトでは、時差、言語、ワークスタイル、民族文化などの違いから、国内プロジェクト以上に多くの問題が発生しがちです。ここで、ほんの一例をご紹介します。

プロジェクト管理の一手法として、定例進捗会議があります。通常、プロジェクトの各チームから進捗状況を報告してもらい、全体を把握します。赤・青・黄のアイコン(信号マーク)を使って、各チームの状況を報告書の冒頭にサマリーとして一覧で表示するケースもあります。信号マークを用いた一覧形式は、視覚的で、グローバル・プロジェクトでは言語の壁を超え、より有効と考えがちですが落とし穴が潜んでいる可能性があります。都合の悪い事を報告し難いのは、万国共通です。私たちが見た、あるグローバル・プロジェクトでは、実際の状況に関らず「赤信号はおろか黄信号も出すなんてありえない、出したら非常にまずい」、といった意識を各チームメンバーが共有していました。当然、悪い事が報告されなければ、プロジェクトとしては問題を抱えたままとなります。

これが日本国内のプロジェクトであれば、進捗会議が終わった後や会食などの機会に、「実は・・」といった形で、打ち明ける事もできるかもしれません。しかし、メンバーの多くが海外にいて、非公式なコミュニケーションルートを持たないグローバル・プロジェクトでは、現地の重要な情報がプロジェクト管理者に遅れて伝わったり、最悪の場合、それが全く伝わらないまま期日を迎えてしまうことになりかねません。

では、どのようにすれば、このような事態を回避できるのでしょうか。そもそも「進捗や問題点の報告を各チーム任せにしない」、ということが一つの対策として考えられます。毎週あるいはマイルストーン毎に、チームから独立した第三者に確認をしてもらうことは、客観的なモニタリングとなると同時に、第三者ゆえの発見につながります。タイムリーに適切な対応を施すためにも、問題の発生を正しく検知する仕組みを構築することは、グローバル・プロジェクトにおいては国内プロジェクト以上に重要と言えます。



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