「地方自治体の決算」と聞いて何をイメージしますか。国や地方自治体の「予算」には毎年、注目が集まりますが、「決算」が取り上げられることはあまりありません。ほぼ予算どおりに収入と支出が計上されるのだから、決算はそれほど重要ではないという声もあるようです。
しかし、国と地方の借金が1,000兆円を超え、税と社会保障の一体改革、消費税増税といった報道が連日なされているように、国や地方の財政は厳しい局面にあります。背景にはバブル崩壊後の積極財政により膨れ上がった借金、そして今後、増加が見込まれる社会保障費の存在があります。
こうした問題を考えていくには、単に予算に対応した収支情報だけでは不十分であり、借金などの将来世代の負担や土地や建物、関連団体への出資・貸付といった財産に関する情報が欠かせません。
現在、総務省のウェブサイトでは「決算カード」や「財政状況等一覧表」などの決算情報が公表されています。ただ、財産や将来負担といった情報については不十分な点が多く、その利用には限界があります。
また、各自治体では総務省の方針に基づき、バランスシートなどの作成・公表を行ってきており、これも「決算」情報といえますが、作成基準が複数あったり、財産の評価方法に著しく簡便な方法が容認されたりと、まだまだ改善の余地が大きいものであります。
これから本格的な財政再建が議論されるわけですが、必要十分な決算情報の作成・提供はパブリックガバナンスの議論に欠かすことはできません。地方自治体の決算情報として、どういった情報を作成・提供すべきかについては、当法人においても重要なテーマとして検討を進めています。