減損会計基準における資産グループと事業セグメントとの関係

2010年7月15日
カテゴリー 会計実務Q&A

Question 

事業セグメントと「固定資産の減損に係る会計基準」(以下、減損会計基準)における資産グループとはどのような関係があるのでしょうか。

Answer 

会計基準に明記されている事業セグメントは、企業の最高経営意思決定機関が、当該構成単位に配分すべき資源に関する意思決定を行い、また、その業績を評価するために、その経営成績を定期的に検討していることが要件の一つとされています。

一方、減損会計基準における資産のグルーピングに際しては、実務上、管理会計上の区分や投資の意思決定を行う際の単位等を考慮してグルーピングの方法を定めることとされており、連結財務諸表における資産グループは、どんなに大きくとも、事業の種類別セグメント情報における開示対象セグメントの基礎となる事業区分よりも大きくなることはないと考えられます。

事業セグメントと管理会計上の区分は直接的に結び付くものではないと考えられますが、資産のグルーピングを決定するに当たり、事業セグメントとの関連性は高いものと考えられます。事業セグメントにおける区分方法を変更したことに伴い、資産のグルーピングの方法を見直すことが考えられ、さらにマネジメント・アプローチを採用することにより既存のセグメント単位を見直すこととなった場合には、減損会計基準における資産のグルーピングの変更につながる可能性があることに留意する必要があります。

根拠条文

  • セグメント情報等の開示に関する会計基準 第6(2)項
  • 固定資産の減損に係る会計基準の適用指針 第7項、第73項、第74項

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