貸倒引当金繰入額の重要性の判断

2010年12月3日
カテゴリー 会計実務Q&A

Question 

関連会社への貸付金について貸倒引当金を計上し、臨時的な損失であったため当該貸倒引当金繰入額を特別損失で計上しました。この場合の重要性の考え方、及び開示対象となる内容は、どうなるのでしょうか。

Answer 

関連当事者の会計基準及び適用指針では、関連当事者に対する債権が貸倒懸念債権及び破産更生債権等に該当する場合、債権の期末残高に対する貸倒引当金残高、当期の貸倒引当金繰入額等、当期の貸倒損失額を記載することとされています。
ここで、当該情報は「関連当事者に対する債権が貸倒懸念債権及び破産更生債権等に該当する場合」とされていることから、重要性の判断に際しては、貸借対照表項目に係る重要性判断基準を適用し、法人グループであれば総資産に対する当該債権の比率が1%を超える場合、個人グループであれば1,000万円を超える場合に開示対象となります。
特別損益に係る重要性は、1,000万円を超える損益に係る取引、または、税金等調整前当期純損益(最近5年平均も可)の10%の大きい方を超える場合に開示対象となります。しかし、関連当事者に対する貸倒懸念債権及び破産更生債権等に対する貸倒引当金繰入額又は戻入益が特別損益に係る重要性基準額を超えた場合でも、そもそも当該債権期末残高が総資産の1%以下の場合には、重要性はないと判定され開示対象としないことができます。

根拠条文

  • 「関連当事者の開示に関する会計基準」第10項(8)
  • 「関連当事者の開示に関する会計基準の適用指針」第8項

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