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借入金の契約期間と金利スワップの契約期間が異なる場合に、金利スワップの特例処理が採用できるか

2017.10.20

Question

会社は、平成×1年1月15日からの8年間を契約期間とする金銭消費貸借契約(3か月ごとに3か月LIBORを基礎とした変動金利を支払う契約)を締結しています。また、当該借入金の支払利息のキャッシュ・フローの変動を回避する目的で、平成×1年4月15日からの7年9か月を契約期間とする金利スワップ契約(3か月ごとに3か月LIBORを基礎とした変動金利を受け取り、固定金利を支払う条件)を締結しています。
契約開始日が3か月ずれており、借入金の初回の利払日には金利スワップの金利交換が行われません。 金利スワップの特例処理の要件である「契約期間及び満期のほぼ一致」(「金融商品会計に関する実務指針」(以下「金融商品実務指針」という第178項②)を除き、ヘッジ会計の要件及び金利スワップの特例処理の要件は満たしているものとします。 この場合に、ヘッジ会計の適用に際し、金利スワップの特例処理が採用できますか。

Answer

金利の受払条件を変換することを目的として行われたヘッジ取引がヘッジ会計の要件を満たす場合、原則的な会計処理は繰延ヘッジ処理となります(「金融商品に関する会計基準」(以下「金融商品会計基準」という。)第32項)。ただし、一定の要件を満たしたとき(ヘッジ会計の要件を満たし、かつ、想定元本、利息の受払条件及び契約期間がヘッジ対象とヘッジ手段でほぼ同一である場合)には、金利スワップを時価評価せず、その金利の受払の純額をヘッジ対象に係る利息の受払に加減して処理することができる「金利スワップの特例処理」の適用が認められます(金融商品会計基準(注14))。

より具体的には、金融商品実務指針第178項に6要件が定められていますが、このうち、同項②の「契約期間及び満期のほぼ一致」については、「金融商品会計に関するQ&A」Q58において、差異の日数が金利スワップ又はヘッジ対象の契約期間の5%以内であれば、ほぼー致とみてよいとする取扱いが示されています。

本件に照らすと、借入金の契約期間が8年であるのに対し、金利スワップの契約期間は7年9か月であり、その差異日数(3か月)はヘッジ対象の契約期間の3.1%に留まることから、金利スワップの特例処理の適用に特段の問題はないと考えられます。 また、借入金の初回の利払日には金利スワップの金利交換が行われない点については、この点も含め「契約期間(及び満期)のほぼ一致」という要件となっていると考えられるため、この点も特段の問題はないと考えられます。



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