正味売却価額

2015年12月14日
カテゴリー 会計実務Q&A

Question 

正味売却価額に固定資産税評価額を用いることができますか。

Answer 

正味売却価額は資産または資産グループの時価から処分費用見込額を控除して算定されます。時価は原則として市場価格に基づく価額ですが、固定資産においては、観察可能な市場価格が存在する場合は多くありません。
この場合、合理的に算定された価額が時価となります。一般的に市場価格が観察できないと考えられる不動産については、「不動産鑑定評価基準」に基づいて算定することになります。自社において算定が困難な場合には、不動産鑑定士から鑑定評価額を入手し、それを合理的に算定された価額とすることが認められています。
一方で、重要性が乏しい固定資産については、一定の評価額や適切に市場価額を反映していると考えられる指標(公示価格、都道府県基準地価格、路線価による相続税評価額、固定資産税評価額)を合理的に算定された価額とみなすことができるとされています。
したがって、重要性が乏しい固定資産を除いて、正味売却価額に固定資産税評価額を用いることはできません。

根拠条文

  • 固定資産の減損に係る会計基準の適用指針28項、90項

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