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有形固定資産

第5回:定額法及び定率法(数値例)

2017.02.03
新日本有限責任監査法人 公認会計士 蛇谷 光生
新日本有限責任監査法人 公認会計士 高野 昭二
【ポイント】
減価償却方法としては、実務上定額法、定率法が広く使われています。これらに関しては、平成19 年度税制改正前の旧定額法又は旧定率法、平成19年度税制改正後の定額法又は定率法(250%定率法)、平成23年度税制改正後の定率法(200%定率法)の5通りの選択肢があることになります。

減価償却方法については、実務上は、多くの企業が法人税法に定められた耐用年数・残存価額を用いているのが現状です。また、企業独自の耐用年数等を採用している場合でも、税務申告に当たっては法人税法の定めに従った減価償却も実施していなければなりません。よって、ここでは法人税法に定められた定額法・定率法について、数値例を見ながら解説していきます。

(1) 旧定額法

平成19年3月31日までに取得した固定資産(主に建物)に定額法を採用する場合、旧定額法により計算されます。残存価額まで減額した後は、いったん償却可能限度額(取得原価の95%)までの減額を行います。償却累計額が償却可能限度額(取得原価の95%)に達したら、残りをその後5年間で1円まで均等償却することとされています。償却可能限度額は残存価額を10%とする取扱いと同様に、平成19年度税制改正で廃止されています。また、税法上、平成10年4月1日以降に取得した建物については定額法しか認められておらず、定率法を適用することはできません。

減価償却費=(取得原価-残存価額)×旧定額法の償却率

  • 数値例
    取得原価:1,000,000、残存価額:100,000、耐用年数:10年(償却率:0.100)
(図5-1)旧定額法の計算シート及びグラフ

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(2) 定額法

平成19年4月1日以降に取得した固定資産に定額法を採用する場合は、残存価額ゼロ、償却可能限度額もゼロで計算します。

減価償却費=取得原価×定額法の償却率

  • 数値例
    取得原価:1,000,000、耐用年数:10年(償却率:0.100)
(図5-2)定額法の計算シート及びグラフ

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(3) 旧定率法

平成19年3月31日までに取得した固定資産に定率法を採用する場合には、旧定率法により計算されます。下表では13年目までは減価償却費が逓減し、14年目以降は均等償却となります。

減価償却費=期首帳簿価額×旧定率法の償却率

  • 数値例
    取得原価:1,000,000、耐用年数:10年(償却率:0.206)
(図5-3)旧定率法の計算シート及びグラフ

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(4) 250%定率法

平成19年4月1日から平成24年3月31日までに取得した固定資産に定率法を採用する場合は、250%定率法が適用されます。250%定率法は、その償却率が定額法の償却率の2.5倍に設定されているため、このように呼ばれています。

減価償却費=期首帳簿価額×定率法()の償却率

平成19年4月1日以後平成24年3月31日以前取得の耐用年数表の償却率となります。 また、減価償却の途中で減価償却費<償却保証額となった場合には、以下の算式となります。

減価償却費=改定取得価額×改定償却率

  • 数値例
    取得原価:1,000,000、耐用年数:10年(償却率:0.250)、償却保証率:0.04448(償却保証額:44,480)、改定取得価額:133,483(減価償却費<償却保証額となる8年目の期首帳簿価額)、改定償却率:0.334

(図5-4)定率法(250%定率法)の計算シート及びグラフ

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(5) 200%定率法

平成24年4月1日以降に取得した固定資産に定率法を採用する場合は、200%定率法が適用されます。200%定率法は、その償却率が定額法の償却率の2倍に設定されているため、このように呼ばれています。

減価償却費=期首帳簿価額×定率法()の償却率

平成24年4月1日以後取得の耐用年数表の償却率となります。 また、減価償却の途中で償却費<償却保証額となった場合には、以下の算式となります。

減価償却費=改定取得価額×改定償却率

  • 数値例
    取得原価:1,000,000、耐用年数:10年(償却率:0.200)、償却保証率:0.06552(償却保証額:65,520)、改定取得価額:262,144(減価償却費<償却保証額となる7年目の期首帳簿価額)、改定償却率:0.250

(図5-5)定率法(200%定率法)の計算シート及びグラフ

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