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企業結合(平成15年会計基準)

第6回:共同支配企業

2010.11.05
新日本有限責任監査法人 公認会計士 井澤依子
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8. 共同支配企業の形成

(1) 共同支配企業の会計処理

a.資産及び負債の会計処理

共同支配企業の形成において、共同支配企業は、共同支配投資企業から移転する資産および負債を、移転直前に共同支配投資企業において付されていた適正な帳簿価額により計上します(企業結合会計基準38、結合分離指針184)。

b.増加資本の会計処理

増加資本の会計処理は、連結子会社同士の合併の会計処理(5.(1)a.ウ.ⅰ.ⅱ.)に準じて処理します。

(2) 共同支配投資企業の会計処理

共同支配企業の形成において、共同支配企業に事業を移転した共同支配投資企業は次の会計処理を行います(企業結合会計基準39)。

  1. a. 個別財務諸表上、当該共同支配投資企業が受け取った共同支配企業に対する投資の取得原価は、移転した事業に係る株主資本相当額に基づいて算定する。
  2. b. 連結財務諸表上、共同支配投資企業は、共同支配企業に対する投資について持分法を適用する。

(3) 共同支配企業の形成:数値例による解説

以下では、共同新設分割を前提に、共同支配企業の形成の会計処理につき、数値例を用いて解説します。

a. 前提条件

  • X22年4月1日にA社とB社は共同新設分割によりW社を設立した。A社とB社の共同新設分割は共同支配企業の形成と判定された。
  • A社およびB社の移転する事業の移転直前の内容等は、次のとおりである。

移転する事業の適正な帳簿価額、移転する事業の時価

受け入れたW社の株式数

W社は3月決算として、X23年3月31日までの損益計算書

b. W社(共同支配企業)の個別財務諸表上の会計処理

ア. G事業の受け入れ

(借) 諸資産 1,000 (貸) 諸負債 450  
        払込資本 550  

イ. H事業の受け入れ

(借) 諸資産 1,200 (貸) 諸負債 750  
        払込資本 450  

ウ. 受入仕訳の合計

(借) 諸資産 2,200 (貸) 諸負債 1,200  
        払込資本 1,000  

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