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企業結合(平成15年会計基準)

第5回:共通支配下の取引等の会計処理②(子会社同士の合併)

2010.10.29
新日本有限責任監査法人 公認会計士 井澤依子

7. 共通支配下の取引等の会計処理(その2:子会社同士の合併)

(1) 連結子会社による他の連結子会社の吸収合併の会計処理

a. 吸収合併存続会社である子会社の個別財務諸表上の会計処理

ア.吸収合併消滅会社である子会社の合併期日の前日における決算

吸収合併消滅会社である子会社は、合併期日の前日に決算を行い、資産および負債の適正な帳簿価額を算定します(結合分離指針246、企業結合会計基準41 、[設例29-2])

イ.資産・負債の受入の会計処理

吸収合併存続会社が吸収合併消滅会社から受け入れる資産および負債は、合併期日の前日に付された適正な帳簿価額により計上します(結合分離指針247(1)、企業結合会計基準41)。

ウ.増加資本の会計処理

ⅰ.株主資本項目の取扱い
連結子会社(存続会社)は吸収合併消滅会社の合併期日の前日の適正な帳簿価額による株主資本の額を払込資本(資本金または資本剰余金)として会計処理します(結合分離指針247(2)、185(1)①準用)。なお、吸収合併消滅会社の合併期日の前日の適正な帳簿価額による株主資本の額がマイナスの場合および後述の抱合せ株式等の会計処理により株主資本の額がマイナスとなる場合には、払込資本をゼロとし、その他利益剰余金のマイナスとして処理します。
合併の対価が自社の株式のみである場合には、吸収合併存続会社は、吸収合併消滅会社の合併期日の前日の資本金、資本準備金、その他資本剰余金、利益準備金およびその他利益剰余金の内訳科目(ただし、積立目的の趣旨は同じであるが、吸収合併存続会社と吸収合併消滅会社の間でその名称が形式上異なる場合に行う積立金の名称変更を除く)を、後述の抱合せ株式等の会計処理を除き、そのまま引き継ぐことができます(結合分離指針247(2)、185(1)②準用)。当該取扱いは、吸収合併消滅会社の適正な帳簿価額による株主資本の額がマイナスとなる場合も同様です。
また、吸収合併の手続とともに、株主資本の計数の変動手続(会社法第447条から第452 条)が行われ、その効力が合併期日に生じる場合には、合併期日において、会社の意思決定機関で定められた結果に従い、株主資本の計数を変動させることができます。

ⅱ.株主資本以外の項目の引継ぎ
吸収合併存続会社は、吸収合併消滅会社の合併期日の前日の評価・換算差額等および新株予約権の適正な帳簿価額を引き継ぎます(結合分離指針247(2)、185(2)準用)。

エ. 抱合せ株式の会計処理

吸収合併存続会社である子会社が吸収合併消滅会社である子会社の株式(関連会社株式またはその他有価証券)を保有している場合で、新株を発行したときの吸収合併存続会社の増加すべき株主資本の会計処理は、次のいずれかの方法により処理します(結合分離指針247(3))。
  • 吸収合併消滅会社の株主資本の額から当該抱合せ株式の適正な帳簿価額を控除した額を払込資本の増加(当該差額がマイナスの場合にはその他利益剰余金の減少)として処理する。
  • 吸収合併消滅会社の株主資本を引き継いだ上で、当該抱合せ株式の適正な帳簿価額をその他資本剰余金から控除する。

オ.企業結合に要した支出額の会計処理

企業結合に要した支出額は、発生時の事業年度の費用として処理します(結合分離指針247(4))

b. 結合当事企業の株主(親会社)に係る会計処理

結合当事企業の株主(親会社)においては、交換損益は認識されず、吸収合併消滅会社の株主(親会社)が受け取った吸収合併存続会社の株式(子会社株式)の取得原価は、引き換えられた吸収合併消滅会社の株式(子会社株式)に係る企業結合日直前の適正な帳簿価額に基づいて計上します(結合分離指針248、[設例29-2])。

c. 連結財務諸表上の会計処理

吸収合併消滅会社の株主(親会社)は、連結財務諸表上、吸収合併存続会社に係る当該株主(親会社)の持分の増加額(吸収合併消滅会社の株主としての持分比率が増加する場合は、吸収合併消滅会社に係る当該株主(親会社)の持分の増加額)と吸収合併消滅会社に係る株主(親会社)の持分の減少額(吸収合併存続会社の株主としての持分比率が減少する場合は、吸収合併存続会社に係る当該株主(親会社)の持分の減少額)との間に生じる差額を、のれん(または負ののれん)および持分変動差額として取り扱います(結合分離指針249、[設例29-2])。