企業会計ナビ
四半期

第7回:四半期財務諸表の注記(2)(継続企業の前提等)との関係

2011.04.22
新日本有限責任監査法人 公認会計士 山岸聡

継続企業の前提

四半期貸借対照表日において、継続企業の前提に疑義を抱かせる事象等が存在する場合であって、当該事象等を解消し、または改善するための対応をしてもなお継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められるときは、次の事項の注記が必要となります。

  1. 当該事象または状況が存在する旨及びその内容
  2. 当該事象または状況を解消し、または改善するための対応策
  3. 当該重要な不確実性が認められる旨及びその理由
  4. 当該重要な不確実性の影響を四半期財務諸表に反映しているか否かの別

なお、前会計期間(前事業年度または前四半期会計期間)の決算日において継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在していた場合には、当四半期会計期間末までの当該重要な不確実性の変化を含めて記載し、継続企業の前提に関する重要な不確実性に特段の変化がない場合には、前会計期間の注記を踏まえて必要な注記を記載します。

また、b.に記載する対応策は、少なくとも翌四半期会計期間の末日までを対象とした対応策を記載する必要があります。(前会計期間の注記を踏まえる必要がある場合を除きます。)
一方、前会計期間の決算日における継続企業の前提に関する重要な不確実性に大きな変化があった場合、または、前会計期間の決算日において継続事業の前提に関する重要な不確実性が存在していなかったものの、当四半期会計期間に継続企業の前提に関する重要な不確実性が発生した場合であって、当四半期会計期間の末日から1年にわたって継続企業の前提が成立するとの評価に基づいて四半期財務諸表を作成するときは、c.の当該重要な不確実性が認められる理由に具体的な対応策が未定であること、対応策の対象期間を超えた期間についても継続企業の前提が成立すると評価した理由等を含めて記載することに留意が必要です。

(重要な後発事象に該当するケース)

四半期貸借対照表日後に継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が発生した場合であって、当該事象を解消し、又は改善するための対応をしてもなお継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められ、四半期会計期間が属する事業年度(当該四半期会計期間以前の期間を除く)以降の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼすときは、当該重要な不確実性の存在は重要な後発事象に該当することになります。

金融商品、有価証券、デリバティブ

金融商品、有価証券、デリバティブの注記については、企業集団の事業運営にあたって重要であり、かつ前年度末と比較して著しく変動している場合に注記が求められます。しかし、「総資産の大部分を金融資産が占め、かつ、総負債の大部分を金融負債及び保険契約から生じる負債が占める企業集団」 (銀行、保険会社、証券会社及びノンバンク等が想定されます) 以外は、第1・第3四半期において開示を省略することができます。

その他の制度等との関係

1.内部統制報告制度

上場会社等は、事業年度ごとに、内部統制報告書を有価証券報告書に併せて提出しなければならないとともに(金商法第24条の4の4)、当該内部統制報告書は、原則として、公認会計士または監査法人の監査証明(内部統制監査)を受けなければならないとされています(金商法第193条の2第2項)。
経営者による内部統制の評価は期末日を評価時点として行われますが(「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準」II3(1))、是正が必要な場合もあることから、運用状況の評価は期末日以前の適切な時期に行うことが必要です。従って、四半期会計期間においても実施されていると考えられます。
内部統制監査は、財務諸表監査と併せて実施されることにより、適正な財務報告を確保することを目的としています。四半期においては、財務情報を迅速・適時に開示する観点から、年度の監査よりも手続きの限定された四半期レビューが実施されますが、四半期財務諸表の適正性は、財務報告に係る内部統制が適正に整備されるとともに、その有効性が経営者・監査人によって検証される内部統制報告制度および年度監査と組み合わされることにより、一層確かなものとなると考えられています。

2.確認書制度

ディスクロージャーの適正性を確保する観点から、上場会社等は、有価証券報告書の記載内容が適正であることを確認した確認書を、当該有価証券報告書と併せて提出しなければならないとされており(金商法第24条の4の2)、四半期報告書および半期報告書においても確認書の提出が求められています(金商法第24条の4の8、第24条の5の2)。確認書制度を実質的に有効に機能させる上で、内部統制報告制度が重要な役割を有していると考えられています。

四半期

情報量は適当ですか?

文章はわかりやすいですか?

参考になりましたか?