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四半期

第4回:四半期財務諸表の会計処理(3)(法人税等、税効果)

2011.04.22
新日本有限責任監査法人 公認会計士 山岸聡
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法人税等および繰延税金資産・負債

  • 原則として、年度決算と同様に算定。ただし、加減算項目や税額控除項目を重要なものに限定することを容認 (適用指針15)
  • 繰延税金資産の回収可能性の判断における前年度に使用した業績予測等の利用 (適用指針16、17)
  • 年間見積実効税率の利用 (基準14、適用指針18,19)
  • 重要性の乏しい連結会社における簡便的な会計処理 (適用指針20)
  • 未実現利益の消去に係る税効果は年間見積課税所得額を限度 (適用指針22、97)
  • 連結納税制度における年間見積実効税率の利用 (適用指針23)

1. 年度と同様の方法による場合の簡便的な取り扱い

法人税等の計算は、原則として年度と同様の方法によることとされています。ただし、開示の迅速性の要請により、簡便的な会計処理として加減算項目や税額控除項目を重要なものに限定することが認められています。

(原則的な会計処理)

年度決算と同様の方法により計算します。つまり、当四半期会計期間における利益を基礎として所得計算を行い、当四半期会計期間が負担する税額を計上する方法です。

ただし、税率については、累進税率が適用されるような場合には、年度の法人税等の計算に適用される税率を予測し、当該税率によって法人税等を計算することになります。

(簡便的な会計処理)

所得計算における加減算項目や、税額計算における税額控除項目を、財務諸表利用者の判断を誤らせない範囲において、重要なものに限定することができます。

また、税金費用について四半期特有の処理を採用した場合も同様に、見積実効税率の算定において財務諸表利用者の判断を誤らせない範囲において、一時差異に該当しない差異や税額控除等の算定を、重要な項目に限定して行うことができます。


2. 繰延税金資産の回収可能性の判断における簡便的な取り扱い

繰延税金資産の回収可能性は、原則として年度決算と同様に検討します。ただし、前年度末から業績や経営環境に大幅な変更がなく、かつ、一時差異の発生状況に大幅な変更がない場合には、回収可能性の判断を、簡便的に行うこともできます。

(原則的な処理)

繰延税金資産および繰延税金負債を、年度決算と同様に、四半期末における一時差異等について、回収可能性を検討した上で計上します。

(簡便的な処理)

経営環境の著しい変化が生じておらず、かつ一時差異等の発生状況について前年度末から大幅な変動がない場合には、前年度末の検討において使用した将来の業績予測やタックス・プランニングを利用することができます。「経営環境の著しい変化」には、重要な企業結合や事業分離、業績の著しい好転または悪化などがあります。

なお、経営環境に著しい変化が生じた場合、または一時差異等の発生状況について前期末から大幅な変動が認められる場合でも、繰延税金資産の回収可能性の検討に当たっては、財務諸表利用者の判断を誤らせない範囲において、前年度末の検討において使用した将来の業績予測やタックス・プランニングに、当該著しい変化または大幅な変動による影響を加味したものを利用することができます。

また、税金費用について四半期特有の処理を採用している場合でも、前年度末に計上した繰延税金資産の回収可能性を四半期末に見直す必要がありますが、同様の方法によって簡便的に検討を行うことができます。


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