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平成29年3月期 有報開示事例分析

第3回:経営方針等の開示状況

2017.11.08
新日本有限責任監査法人 公認会計士 加藤 大輔

Question

内閣府令の改正により、経営方針等について有報の事業の状況に記載することとなったが、平成29年3月期決算の会社について、有報の経営指標の開示状況及び開示されている具体的な経営指標等を知りたい。また、短信においても引き続き「経営方針」を記載している会社数を知りたい。


Answer

【調査範囲】
調査日:平成29年8月
調査対象期間:平成29年3月31日
調査対象書類:有価証券報告書
調査対象会社:平成29年4月1日現在の日経株価指数300のうち、以下の条件に該当する186社
①3月31日決算
②平成29年6月30日までに有報を提出
③連結財務諸表作成会社
④日本基準を採用

【調査結果】

(経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の会社の開示状況)
区分 前期(H28.3)短信 開示割合 当期(H29.3)有報 開示割合
経営指標を記載している 148 80% 139 75%
経営指標を記載していない 38 20% 47 25%
合計 186 100% 186 100%

経営指標を開示している会社は前期の決算短信と比較すると微減となっていたものの、分析対象会社の多くが経営指標を開示している結果となった。

(開示されている具体的な経営指標)
経営指標 当期有報 経営指標を開示している会社に占める割合
売上高 66 47%
営業利益 57 41%
経常利益 23 17%
当期純利益 21 15%
EBITDA 10 7%
売上高営業利益率 34 24%
ROE(自己資本利益率) 74 53%
ROA(純資産利益率) 17 12%
ROIC(投下資本利益率) 10 7%
自己資本比率 13 9%
D/Eレシオ(負債資本倍率) 14 10%

(※)複数の経営指標を開示している会社は、それぞれを1社としてカウントしている。上表では、10社以上が開示している経営指標を挙げており、その他にEPSや有利子負債残高等の経営指標を開示している会社もあった。

経営指標を開示している会社の約半数が目標とする経営指標としてROE(自己資本利益率)や売上高を挙げており、多くの会社が収益性に係る経営指標を開示している傾向にあった。一方、自己資本比率やD/Eレシオ(負債資本倍率)等の安全性に係る経営指標を開示している会社もそれぞれ十数社あった。

(平成29年3月期における決算短信での経営方針を記載の有無)
区分 短信 開示割合
経営方針を記載している 62 33%
経営方針を記載していない 124 67%
合計 186 100%

平成29年2月に見直された決算短信の記載事項では、経営指標を含めた「経営方針」は開示事項とはなっていないものの、引き続き平成29年3月期の決算短信においても「経営方針」を記載している会社は、62社あった。

(旬刊経理情報(中央経済社) 平成29年9月20日増大号 No.1490 「平成29年3月期『有報』分析」を一部修正)

平成29年3月期 有報開示事例分析

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