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平成27年3月期 有報開示事例分析

第5回:有形固定資産の減価償却方法を定率法から定額法に変更している会社

2015.12.02
新日本有限責任監査法人 公認会計士 須賀 勇介

Question

有形固定資産の減価償却方法を定率法から定額法に変更している会社は?

Answer

(1) 定率法から定額法に変更している旨の開示状況

有形固定資産の減価償却方法を定率法から定額法に変更している旨の開示状況を分析した結果は、図表1のとおりである。
平成27年3月期決算のすべての有報提出会社2,720社のうち、57社が定率法から定額法に変更している結果となった。このなかにはIFRSを適用している会社が3社あり、1社は前期以前にIFRSを導入した会社が当期に日本基準の個別財務諸表で変更を行った事例であり、2社は当期にIFRSを導入した会社が当期に日本基準の連結財務諸表(並行開示)および個別財務諸表で変更を行った事例である。なお、3社ともに、IFRSの連結財務諸表では導入時から定額法を採用している。また、日本基準の53社にも、IFRS導入を来期に予定している旨を公表している会社が1社含まれている(平成27年9月2日現在)。

(図表1) 定率法から定額法に変更している旨の開示状況

会計基準 平成27年3月期
開示会社数
(参考)
平成26年3月期
開示会社数
日本基準 53 102
IFRS 3 1
米国会計基準 1 5
合 計 57 108

(2) 平成27年3月期IFRS導入会社の定率法から定額法への変更時期

有形固定資産の減価償却方法を定率法から定額法に変更している旨の過年度の開示状況を分析した結果は、図表2のとおりである。
平成27年3月期決算からIFRSを導入した有報提出会社30社のうち、27社がこれまでに定率法から定額法に変更している結果となった。このうち、平成25年3月期に17社が、平成26年3月期に6社が変更しており、当期にIFRSを導入した会社の多くが前々期または前期に減価償却方法を変更している。

(図表2) 平成27年3月期IFRS導入会社の定率法から定額法への変更時期

区 分 会社数
変更あり 平成20年3月期 1
平成21年3月期 1
平成25年3月期 17
平成26年3月期 6
平成27年3月期 2
変更なし(*) 3
合 計 30
  • (*) いずれも平成27年3月期は連結(IFRS)では定額法、個別(日本基準)では定率法

(3) 定率法から定額法への変更理由

図表1の57社について、有形固定資産の減価償却方法の定率法から定額法への変更の契機となった理由に係る分析をした結果は、図表3のとおりである。
大型設備の新規稼働、導入の意思決定や主力事業、事業環境の変化等を契機として減価償却方法の見直しを行った結果、今後は安定的な設備の稼働や安定的な収益獲得が見込まれること等から変更を行う旨の記載事例が多くみられた。

(図表3) 定率法から定額法への変更理由

理 由 会社数
(*1)(*2)
大型設備の新規稼働、導入の意思決定 20
主力事業、事業環境の変化 18
グローバル化による生産設備の国外移転 14
中期経営計画の策定 12
会計方針の統一 8
構造改革・生産体制強化の実施 6
その他 11
合 計 89
  • (*1)会計方針の変更において記載されている内容を、それぞれ上記の「理由」のうち近いものに大まかに分類している。
  • (*2)複数の理由を記載しているため、カウント数が重複している項目がある。

(旬刊経理情報(中央経済社) 平成27年9月20日号 No.1424 「平成27年3月期『有報』分析」を一部修正)

平成27年3月期 有報開示事例分析


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