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金融商品

第3回:金融商品の評価

2010.10.13
新日本有限責任監査法人 公認会計士 山岸聡
新日本有限責任監査法人 公認会計士 湯本純久
新日本有限責任監査法人 公認会計士 中村崇
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7. 金融商品の評価基準の基本的考え方

金融資産については市場が存在すること等により客観的な価額として時価を把握でき、当該価額により換金・決済等が可能であるため、投資家に対する情報提供の観点、企業のリスク管理、財務活動の的確な把握の観点、さらに国際的調和化の観点から、原則として時価評価し、財務諸表に反映することが必要であるとしています。
しかし、金融資産の属性および保有目的にかんがみ、実質的に価格変動リスクを認める必要のない場合や直ちに売買・換金を行うことに事業遂行上等の制約がある場合があることから、時価評価を基本としつつ保有目的に応じた評価方法を採用しています。
一方、金融負債は、借入金のように一般的には市場がないか、社債のように市場があっても、自己の発行した社債を時価により自由に清算するには事業遂行等の制約があると考えられることから、デリバティブ取引により生じる正味の債務を除き、時価評価の対象とはなりません。

<金融商品の評価基準の基本的考え方>

種類 評価基準 評価差額の処理方法
金銭債権 償却原価



売買目的有価証券 時価 損益に計上
満期目的保有の債券 償却原価
子会社および関連会社株式 取得原価
その他有価証券 時価 純資産の部
(部分純資産直入法を採用している場合には、時価の下落部分は損益に計上)
金融負債 取得原価
デリバティブ 時価 原則として損益に計上

8. 時価の定義

時価とは公正な評価額をいい、市場において形成されている取引価格、気配または指標その他相場(市場価格)に基づく価額と定義されています。また、市場価格がない場合には、合理的に算定された価額を公正な評価額として適用します(会計基準第6項)。
ここで市場価格に基づく価額とは、売買が行われている市場において金融資産の売却により入手できる現金の額または取得のために支払う現金の額をいい、以下の取引価格とされています(実務指針第48項)。

  • (1)取引所に上場されている金融資産
  • (2)店頭において取引されている金融資産
  • (3)上記(1)または(2)に準じて随時、売買・換金等が可能なシステムにより取引されている金融資産

また、合理的に算定された価額とは、以下の方法で算定された価額とされています。いずれを利用する場合にも、恣意(しい)性を排除し、合理的に算定する必要があります(実務指針第54項)。

  • (1)取引所等から公表されている類似の金融資産の市場価格に、利子率、満期日、信用リスクおよびその他の変動要因を調整する方法
  • (2)金融資産から発生する将来キャッシュ・フローを割り引いて現在価値を算定する方法
  • (3)一般に広く普及している理論値モデルまたはプライシング・モデル(例えば、ブラック・ショールズ・モデル、二項モデル等のオプション価格モデル)を使用する方法

9. 金融資産取得時の付随費用の取扱い

金融資産(デリバティブを除く)の取得時における付随費用は、取得した金融資産の取得価額に含めます。ただし、経常的に発生する費用で、個々の金融資産との対応関係が明確でない場合は、取得価額に含めないことができます(実務指針第56項)。


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