1.今回のテーマ
「工事契約に関する会計基準」及び「工事契約に関する会計基準の適用指針」(以下、工事契約基準等)の解説シリーズ第4回においては、工事進行基準適用に伴う法人税及び消費税等の留意事項について解説します。なお、文中の意見に関する部分は私見であることをお断り申し上げます。
2.法人税における留意事項
(1) 新旧法人税法の相違点
工事契約基準等が公表されたことに伴い、平成20年税制改正で工事進行基準の適用に対応する改正がなされています(法人税法64条、法人税法施行令129条~131条等)。以下、新旧法人税法の相違点をまとめてみます。
- (※)着工事業年度後のいずれかの事業年度において、工事進行基準で会計処理しなかった場合には、その事業年度の翌事業年度以後は、税務上工事進行基準が認められない。
(2) 新法人税法の適用時期
| <原則> |
| 平成20年4月1日以後に開始する事業年度に着手する工事 |
→ |
新法人税法の適用 |
| それより前に開始する事業年度に着手する工事 |
→ |
旧法人税法の適用 |
なお、長期大規模工事に関しては、以下の経過措置が定められています。
| <経過措置> |
以下の3要件全部を満たす工事について、全て工事完成基準で会計処理をしている場合
- 平成20年4月1日から平成21年3月31日までの間に開始する事業年度に着手
- 工期1年以上かつ2年未満
- 請負対価10億円以上50億円未満
|
→
|
旧法人税法の適用
|
工事契約基準等を平成20年4月1日開始事業年度から早期適用する場合については、新法人税法が同じタイミングで適用されますので、基本的には、長期大規模工事について申告調整の問題は生じません(税務調整については、「(3)会計と税務の関係」をご参照ください)。また、工事契約基準等を平成21年4月1日開始事業年度から適用する場合についても(原則適用)、税務上工事進行基準が強制される長期大規模工事に関しては、経過措置を設けることで手当てがなされています(長期大規模工事以外については、工事進行基準で会計処理した場合のみ税務上も工事進行基準が適用され、経過措置は不要)。