平成20年連結会計基準における連結財務諸表原則からの変更点 第4回:平成20年における持分法基準の改正点

2009年11月27日
カテゴリー 解説シリーズ

公認会計士 井澤依子

「持分法」とは、投資会社が被投資会社の資本及び損益のうち投資会社に帰属する部分の変動に応じて、その投資の額を連結決算日ごとに修正する方法です。連結財務諸表に係る持分法の適用は、当初連結原則において規定されていましたが、平成20年3月10日に持分法基準として、連結原則とは別の会計基準として整備されました。その後、連結基準の公表の趣旨と同様の趣旨で、連結基準の公表と同じ時期に持分法基準の改正が行われました。平成20年における持分法基準の改正点は以下のとおりです。

1.平成20年3月10日持分法基準の公表時の改正点

① 持分法適用会社の会計処理の統一について(持分法基準9、25)

連結原則においては、投資会社及び持分法を適用する非連結子会社及び関連会社(以下、持分法適用関連会社)の会計処理を統一すべきか否かが明示されていないため、必ずしも統一することを要しませんが、統一することが望ましいと解されてきました。これに対して、持分法基準では、会計基準の国際的なコンバージェンスの視点から、持分法適用会社についても、連結子会社と同様に採用する会計処理を原則として統一することとしました。

なお、上記は原則的な取り扱いであり、当面の取り扱いとして日本公認会計士協会 監査・保証実務委員会報告第56号「親子会社間の会計処理の統一に関する当面の監査上の取扱い」(以下、監査・保証実務委員会報告第56号)に定める会計処理の統一に関する取り扱いに準じて行うことができます。

さらに、在外関連会社については、当面の間、実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い」(以下、実務対応報告第18号)に準じて行うことができます。実務対応報告第18号の取り扱いについては、解説シリーズの「在外子会社の会計処理の統一」をご覧ください。

なお、統一のために必要な情報を入手することが極めて困難と認められるときには、監査・保証実務委員会報告第56号に定める、「統一しないことに合理的な理由がある場合」に当たるものとされます(実務対応報告第24号「持分法適用関連会社の会計処理に関する当面の取扱い」参照)。

2.平成20年12月26日持分法基準改正時の改正点

①「関係会社」の定義について(持分法基準5、5-2、21-2(1))

「関連会社」は、平成20年3月持分法基準以外に、「連結財務諸表制度における子会社及び関連会社の範囲の見直しに係る具体的な取扱い」において定義が設けられていましたが、連結基準において「親会社」及び「子会社」の定義が見直されたことに伴い、平成20年12月26日に会計された持分法基準でもこの定義を見直すこととされました。

② 負ののれんの会計処理について(持分法基準12、21-1(2))

持分法基準公表当初においては、規則的に償却することとされていた負ののれんについては、改正後の企業結合基準に準じて会計処理することとされました。この結果、負ののれんが生じると見込まれる場合には、被投資会社の資産及び負債の把握ならびにそれらに対する取得原価の配分が適切に行われているかどうかを見直し、それでもなお生じた負ののれんは、当該負ののれんが生じた事業年度の利益として処理されることとなりました。

この記事に関連するテーマ別一覧

連結

企業会計ナビ

企業会計ナビ

会計・監査や経営にまつわる最新情報、解説記事などを発信しています。

一覧ページへ