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平成20年連結会計基準における連結財務諸表原則からの変更点

第3回:平成20年連結会計基準公表時点において、すでに公表されている他の会計基準等との整合性を図るための事項

2009.11.24
新日本有限責任監査法人 公認会計士 井澤依子

平成20年連結会計基準公表時点において、すでに公表されている他の会計基準等との整合性を図るための事項は以下のとおりです。

① 「親会社」には会社以外も含むこととした点

「親会社」及び「子会社」は、連結基準では、「連結財務諸表制度における子会社及び関連会社の範囲の見直しに係る具体的な取扱い」及び企業会計基準第11号「関連当事者の開示に関する会計基準」を参考に、それらの定義を見直し、「親会社」には会社以外も含むこととされました(図表2)。

図表2:親会社の定義

  平成9年連結原則 連結基準
親会社の定義 「親会社」とは、他の会社等(会社、組合その他これらに準ずる事業体(外国の法令に準拠して設立されたものを含む。)をいう。以下同じ。)の財務及び営業又は事業の方針を決定する機関(株主総会その他これに準ずる機関をいう。以下「意思決定機関」という。)を支配している会社をいい、「子会社」とは、当該他の会社等をいう。 「親会社」とは、他の企業の財務及び営業又は事業の方針を決定する機関(株主総会その他これに準ずる機関をいう。以下「意思決定機関」という。)を支配している企業をいい、「子会社」とは、当該他の企業をいう。親会社及び子会社又は子会社が、他の企業の意思決定機関を支配している場合における当該他の企業も、その親会社の子会社とみなす。
「企業」とは、会社及び会社に準ずる事業体をいい、会社、組合その他これらに準ずる事業体(外国におけるこれらに相当するものを含む。)を指す。
② 資本準備金以外の剰余金を企業会計基準第5号「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準」(以下、純資産会計基準)に従い、区分して記載することとした点

資本準備金以外の剰余金は、平成9年連結原則において連結剰余金とされていましたが、連結基準では純資産の部の表示に関しては純資産会計基準に従うものとされました。

③ 少数株主持分の表示箇所につき、純資産会計基準に従い、純資産の部に区分して記載する旨を定めた点

少数株主持分は、平成9年連結原則において負債の部と資本の部の中間に独立の項目として表示することとされていましたが、連結基準では、純資産会計基準に従い、純資産の部に区分して記載する旨定められました(図表3)。

図表3

  平成9年連結原則 連結基準
連結貸借対照表の大科目 連結貸借対照表には、資産の部、負債の部、少数株主持分及び資本の部を設けなければならない。 連結貸借対照表には、資産の部、負債の部及び純資産の部を設ける。
少数株主持分の表示箇所 少数株主持分は、負債の部の次に区分して記載しなければならない。 純資産の部は、純資産会計基準に従い、区分して記載する。
純資産の部の表示 資本の部は、資本金、資本準備金及び資本準備金以外の剰余金(以下、「連結剰余金」という。)に区分して記載しなければならない。
純資産の部の具体的な表示 (省略)(※)
(純資産の部)
I 株主資本
1. 資本金 ×××
2. 資本剰余金 ×××
3. 利益剰余金 ×××
4. 自己株式 ×××
株主資本合計 ×××
II 評価・換算差額等
1. その他有価証券評価差額金 ×××
2. 土地再評価差額金 ×××
3. 繰延ヘッジ損益 ×××
4. 為替換算調整勘定 ×××
評価・換算差額等合計 ×××
III 新株予約権 ×××
IV 少数株主持分 ×××
純資産合計 ×××

※平成9年連結原則による場合の具体的な表示は、すでに制度的に実施されていないため、誤解を避けるために省略いたしました。

④ 連結損益計算書における純損益計算の区分の中に、新たに少数株主損益調整前当期純利益を表示することとした点

具体的な表示は、図表4のとおりです。

図表4:連結損益計算書純損益計算区分

平成9年連結原則 連結基準
税金等調整前当期純利益(損失) ××× 税金等調整前当期純利益(損失) ×××
法人税、住民税及び事業税 ××× 法人税、住民税及び事業税 ×××
法人税等調整額 ××× 法人税等調整額 ×××
少数株主利益(損失) ××× 少数株主損益調整前当期純利益(損失) ×××
当期純利益(損失) ××× 少数株主利益(損失) ×××
  当期純利益(損失) ×××
⑤ その他

連結原則の中に規定されていた内容について、「会計ビッグバン」以後整備された会計基準の規定に依拠するように、文章を変更するものです。具体的な内容は以下です。

  1. (ア)株主資本等変動計算書会計基準に従い、連結株主資本等変動計算書を作成する旨を定めた点
  2. (イ)平成10年3月に公表された「連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準」に従い、連結キャッシュ・フロー計算書を作成する旨を定めた点
  3. (ウ)税効果会計、非連結子会社及び関連会社に対する持分法の適用、自己株式及び子会社が所有する親会社の株式の表示方法については、それぞれ、「税効果会計に係る会計基準」、持分法基準、企業会計基準第1号「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準」に同様の定めがあることから、連結基準においては取り扱わないこととした点

平成20年連結会計基準における連結財務諸表原則からの変更点

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