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「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正のポイント

2019.02.08
EY新日本有限責任監査法人
公認会計士 高平 圭

<内閣府令第3号が平成31年1月31日に公布>

平成31年1月31日に、内閣府令第3号「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(以下「本改正」という。)が公布されています。
本改正は、平成30年6月に公表された金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」報告における、「財務情報及び記述情報の充実」、「建設的な対話の促進に向けた情報の提供」、「情報の信頼性・適時性の確保に向けた取組」に向けた適切な制度整備を行うべきとの提言を踏まえ、有価証券報告書等の記載事項の改正を行うためのものです。

1. 改正された府令等

  • 企業内容等の開示に関する内閣府令(開示府令)
  • 企業内容等の開示に関する留意事項について(企業内容等開示ガイドライン)

2. 本改正の概要

「ディスクロージャーワーキング・グループ」報告の提言を踏まえた改正の概要は以下のとおりです。

(1) 財務情報及び記述情報の充実

  • 経営方針、経営戦略等について、市場の状況、競争優位性、主要製品・サービス、顧客基盤等に関する経営者の認識の説明を含めた記載を求める(開示府令第二号様式 記載上の注意(30)、第三号様式 記載上の注意(10)等)。
  • 事業等のリスクについて、顕在化する可能性の程度や時期、リスクの事業へ与える影響の内容、リスクへの対応策の説明を求める(開示府令第二号様式 記載上の注意(31)、第三号様式 記載上の注意(11)等)。
  • 会計上の見積りや見積りに用いた仮定について、不確実性の内容やその変動により経営成績に生じる影響等に関する経営者の認識の記載を求める(開示府令第二号様式 記載上の注意(32)(g)、第三号様式 記載上の注意(12)等)。

(2) 建設的な対話の促進に向けた情報の提供

  • 役員の報酬について、報酬プログラムの説明(業績連動報酬に関する情報や役職ごとの方針等)、プログラムに基づく報酬実績等の記載を求める(開示府令第二号様式 記載上の注意(57)、第三号様式 記載上の注意(38)等)。
  • 政策保有株式について、保有の合理性の検証方法等について開示を求めるとともに、個別開示の対象となる銘柄数を現状の30銘柄から60銘柄に拡大する(開示府令第二号様式 記載上の注意(58)、第三号様式 記載上の注意(39)等)。

(3) 情報の信頼性・適時性の確保に向けた取組

  • 監査公認会計士等を選定した理由及び方針(解任または不再任の決定の方針を含む)、監査役及び監査役会が監査公認会計士等又は会計監査人の評価を行った旨及びその内容の開示を求める(開示府令第二号様式 記載上の注意(56)d(c)・d(e)、第三号様式 記載上の注意(37)等)。
  • ネットワークファームに対する監査報酬等の開示を求める(開示府令第二号様式 記載上の注意(56)d(f)ⅰ・ⅱ・ⅲ、第三号様式 記載上の注意(37)等)。
  • 監査役会等の活動状況、監査法人による継続監査期間(開示府令第二号様式 記載上の注意(56)a(b)・d(a)ⅱ、第三号様式 記載上の注意(37)等)。

(4) その他

  • 最近5年間の株主総利回りの推移について、提出会社が選択する株価指数における最近5年間の総利回りと比較した記載を求める(開示府令第二号様式 記載上の注意(25)f、第三号様式 記載上の注意(5)等)。

3. 適用時期

公布の日から施行されています。なお、改正後の規定の適用時期は、以下のとおりです。

  • (1)上記「(2) 建設的な対話の促進に向けた情報の提供」欄に記載の項目等は、平成31年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書等から適用。(注)
  • (2)(1)以外については、平成32年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書等から適用。ただし、平成31年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書等からの適用可。

(注)「(3) 情報の信頼性・適時性の確保に向けた取組」のうち、①および②に記載の項目については、平成31年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書等から適用(なお、②については、平成31年3月31日から平成32年3月30日までに終了する事業年度に係る有価証券報告書等については、従前の規定によることが可。)となりますので、ご留意ください。

適用時期 有報の記載内容 区分
平成31年3月31日以後終了する年度の有報から適用
(※)経過措置:平成31年3月31日~平成32年3月30日までの間に終了する年度は従前規定の適用可
【コーポレート・ガバナンスの状況等】
・役員の報酬等(業績連動報酬)
・株式の保有状況(政策保有株式)
(2) 建設的な対話の促進に向けた情報の提供
【コーポレート・ガバナンスの状況等】
・会計監査の状況(監査人の選定理由・評価)
・監査報酬の内容等(監査人と同一のネットワークベースの報酬(※)、監査報酬の同意理由)
(3) 情報の信頼性・適時性の確保に向けた取組
平成32年3月31日以後終了する年度の有報から適用
ただし、平成31年3月31日以後終了する年度の有報からの適用可
【コーポレート・ガバナンスの状況等】
・監査役監査の状況(監査役会等の活動状況)
・会計監査の状況(継続監査期間)
【経営方針等】(経営者の認識の説明)
【事業等のリスク】(主要なリスク)
【MD&A】(会計上の見積り)
(1) 財務情報及び記述情報の充実

4. 改正案からの主な変更点

改正案からの主な変更点はありません。

なお、本稿は本改正の概要を記述したものであり、詳細については本文をご参照ください。

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