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記述情報の開示に関する原則(案)のポイント

2018.12.28
EY新日本有限責任監査法人
公認会計士 江本 卓也

<金融庁が平成30年12月21日付で公表>

金融庁は、平成30年12月21日付で「記述情報の開示に関する原則(案)」(以下「本原則(案)」という。)を公表しています。

本原則(案)は、金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ報告(平成30年6月28日公表)の提言を受け、ルールへの形式的な対応にとどまらない開示の充実を図るため、企業が経営目線で経営方針・経営戦略等、経営成績等の分析、リスク情報等を開示していく上でのガイダンスとして取りまとめられたものです。

なお、本原則(案)に対しては平成31年2月1日(金)までコメントが募集されています。

1. 本原則(案)の概要

(1) 公表の経緯及び目的

企業による情報開示を巡る現在の課題を踏まえ、財務情報以外の開示情報である、いわゆる「記述情報」について、望ましい開示の考え方、開示の内容、開示に対する取り組み方をまとめたものです。

企業が開示する記述情報の項目は、企業の業態や企業が置かれた経営環境等に応じ様々ですが、本原則(案)は、その中でも、投資家による適切な投資判断を可能とし、投資家と企業との深度ある建設的な対話につながる項目である経営方針・経営戦略等、経営成績等の分析、リスク情報を中心に、有価証券報告書における開示の考え方等を整理することを目的としています。

(2) 総論

本原則(案)では、まず総論として、以下の原則を定めるとともに、それぞれの原則について、考え方及び望ましい開示に向けた取り組みが示されています。

① 企業の情報開示における記述情報の役割

  • 1-1記述情報は、財務情報を補完し、投資家による適切な投資判断を可能とする。また、記述情報が開示されることにより、投資家と企業との建設的な対話が促進され、企業の経営の質を高めることができる。
    このため、記述情報の開示は、企業が持続的に企業価値を向上させる観点からも重要である。企業は、記述情報及びその開示のこのような機能を踏まえ、充実した開示をすることが期待される。

② 記述情報の開示に共通する事項

【取締役会や経営会議の議論の適切な反映】

  • 2-1記述情報は、投資家が経営の目線で企業を理解することが可能となるように、取締役会や経営会議における議論を反映することが求められる。

【重要な情報の開示】

  • 2-2記述情報の開示については、各企業において、重要性(マテリアリティ) という評価軸を持つことが求められる。

【セグメントごとの情報の開示】

  • 2-3記述情報は、投資家に対して企業全体を経営の目線で理解し得る情報を提供するために、適切な区分で開示することが求められる。

【分かりやすい開示】

  • 2-4記述情報の開示に当たっては、その意味内容を容易に、より深く理解することができるよう、分かりやすく記載することが期待される。

(3) 各論

次に、各論として、以下の開示項目について、考え方及び望ましい開示に向けた取り組みが示されています。

① 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等

  • 経営方針・経営戦略等
  • 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
  • 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

② 事業等のリスク

③ 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(Management Discussion and Analysis、いわゆるMD&A)

  • キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資本の流動性に係る情報
  • 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

なお、本稿は本原則(案)の概要を記述したものであり、詳細については本文をご参照ください。

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