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法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準(案)のポイント

2016.11.14
新日本有限責任監査法人 会計情報トピックス
加藤 圭介

<ASBJから平成28年11月9日に公表>

企業会計基準委員会(ASBJ)は、平成28年11月9日に企業会計基準公開草案第59号「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準(案)」(以下「本公開草案」という。)を公表しています。

ASBJは、平成27年12月に企業会計基準適用指針第26号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」を公表し、その後、日本公認会計士協会における税効果会計に関する実務指針のうち当該適用指針に含まれないものについてもASBJに移管すべく審議を行っています。

当該審議においては、監査・保証実務委員会実務指針第63号「諸税金に関する会計処理及び表示に係る監査上の取扱い」(以下「監査保証実務指針第63号」という。)についても税効果会計に関連するため、併せて会計基準として開発することとし、今般、本公開草案が公表されることとなったものです。

本公開草案は、監査保証実務指針第63号及び日本公認会計士協会 会計制度委員会「税効果会計に関するQ&A」における税金の会計処理及び開示に関する部分のほか、実務対応報告第12号「法人事業税における外形標準課税部分の損益計算書上の表示についての実務上の取扱い」に定められていた事業税における外形標準課税部分の開示について、基本的にその内容を踏襲した上で表現の見直しや考え方の整理等を行っており、実質的な内容の変更は意図されていません。

本公開草案に対しては、平成29年1月10日(火)までコメントが募集されています。

1. 本公開草案の概要

(1)範囲(本公開草案第2項)

本公開草案は、連結財務諸表及び個別財務諸表における次の事項に適用することが提案されています。

  • 我が国の法令に従い納付する税金のうち法人税、地方法人税、住民税及び事業税(以下「法人税、住民税及び事業税等」という。)に関する会計処理及び開示
  • 我が国の法令に従い納付する税金のうち受取利息及び受取配当金等に課される源泉所得税に関する開示
  • 外国の法令に従い納付する税金のうち外国法人税に関する開示
  • (2)会計処理(本公開草案第4項から第7項)

  • 当事業年度の所得等に対する法人税、住民税及び事業税等(本公開草案第4項)
    法令に従い算定した額(税務上の欠損金の繰戻しにより還付を請求する還付法人税額及び還付地方法人税額を含む。)を損益に計上することが提案されています。
  • 更正等による追徴及び還付(本公開草案第5項から第7項)
    以下のとおり、状況に応じた会計処理が提案されています。
    状況 会計処理
    更正等により追加で徴収される可能性が高く、当該追徴税額を合理的に見積ることができる場合 当該追徴税額を損益に計上する(注)
    更正等により還付されることが確実に見込まれ、当該還付税額を合理的に見積ることができる場合 当該還付税額を損益に計上する(注)
    更正等により追徴税額を納付したが、当該追徴の内容を不服として法的手段を取る場合において、還付されることが確実に見込まれ、当該還付税額を合理的に見積ることができる場合 当該還付税額を損益に計上する(注)
    (注)企業会計基準第24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」第4項(8)に定める誤謬に該当するときを除きます。

(3)開示(本公開草案第8項から第15項)

当事業年度の所得等に対する法人税、住民税及び事業税等(本公開草案第8項及び第9項)
  • 法人税、地方法人税、住民税及び事業税(所得割)は、損益計算書の税引前当期純利益(又は損失)の次に、法人税、住民税及び事業税などその内容を示す科目をもって表示する。
  • 事業税(付加価値割及び資本割)は、原則として、損益計算書の販売費及び一般管理費として表示する。 (ただし、合理的な配分方法に基づきその一部を売上原価として表示することができる。)
更正等による追徴及び還付(本公開草案第14項及び第15項)
  • 法人税、地方法人税、住民税及び事業税(所得割)の更正等による追徴税額及び還付税額は、法人税、地方法人税、住民税及び事業税(所得割)を表示した科目の次に、その内容を示す科目をもって表示する。 (ただし、これらの金額の重要性が乏しい場合、法人税、地方法人税、住民税及び事業税(所得割)に含めて表示することができる。)
  • 事業税(付加価値割及び資本割)の更正等による追徴税額及び還付税額は、原則として、損益計算書の販売費及び一般管理費として表示する。
    (ただし、合理的な配分方法に基づきその一部を売上原価として表示することができる。)

(4)適用時期(本公開草案第18項及び第19項)

本公開草案は、監査保証実務指針第63号等における会計処理及び開示に関する部分について、基本的にその内容を踏襲した上で表現の見直しや考え方の整理等を行っており、実質的な内容の変更は意図していないため、本会計基準は、公表日以後適用することが提案されています。

また、同様の理由により、本会計基準の適用については、会計基準等の改正に伴う会計方針の変更に該当しないものとして取り扱うことが提案されています。

2. 本公開草案に対するコメント

本公開草案に対するコメント募集に際し、以下の個別の質問が示されています。

  • [質問1]  当事業年度の所得等に対する法人税、住民税及び事業税等に係る会計処理に関する提案に同意するか否か。
  • [質問2]  更正等による追徴及び還付に係る会計処理に関する提案に同意するか否か。
  • [質問3]  本公開草案の開示に関する提案に同意するか否か。
  • [質問4]  その他

なお、本稿は本公開草案の概要を記述したものであり、詳細については本文をご参照ください。

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