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「旬刊経理情報」連載 女性エグゼクティブの法則 ~Winning Womenから後輩たちへ~

第46回 「両立不安」の壁を解消して自分らしい人生を!

2017.03.10
堀江 敦子
スリール(株) 代表取締役社長

Winning Women Networkの企画・協力で、旬刊経理情報に『女性エグゼクティブの法則~Winning Womenから後輩たちへ~』を連載しています。2017年1月1日号に掲載された記事をご紹介します。

私の会社はワーク&ライフ・インターンという仕事と子育ての両立を体験するインターンシップを実施しています。過去6年間で500名以上の大学生・若手社員の方が参加をしています。

このインターンは、通常の企業に行くのではなく、家庭に行きます。目的は、「仕事と子育ての両立」についてリアルに学ぶこと。弊社の調査によると、仕事と子育ての両立について不安を抱えた経験がある人は20代女性の「87.6%」を占めています。20代の仕事をしている女性は、「今の仕事は楽しいけど、忙しいし、この会社では働き続けながら子育ては無理かな」と悩んで転職活動をし始めたり、大学生は「仕事と子育ての両立は大変そうだから、最初から負荷のない仕事をしよう」と考えてしまいます。彼らは、実際に仕事と子育ての両立をしている人に出会ったり、話を聞いてみた経験がほとんどなく、漠然としたイメージから不安を抱えて仕事にブレーキをかけています。いまだに第1子出産後に「60%」近くの女性が仕事を辞めています。私は、このように仕事と子育てに直面する前から不安を抱いてしまう状況を「両立不安」と呼び、このような課題の解決のためのプログラムを行っています。

この事業を始めた理由の1つに、私自身も学生時代に「両立不安」を抱えていたことがあります。「仕事を頑張りたい」という気持ちと、「子どもを大切にしたい」という気持ちがありながら、親が専業主婦だったということもあり「どのように両立すればよいのか」わからず、悩んでいたのです。そんなとき、大学時代の知り合いの起業家の「ベビーカー持ち」を行ったのが大きな経験でした。ベビーカーを押して職場についていき、仕事を手伝いながら、子どもの面倒もみる。そのような経験をするなかで「働いていても、子どもが安心できる人が側にいれば、子どもは幸せそう」、「多くの人に頼りながら両立を実現すればよい」、「自分らしく仕事を頑張っていい!」と思えるようになりました。実際にワーク&ライフ・インターンの卒業生は、「両立できるなら、仕事を頑張りたい!」と思い、1年目から成績トップで表彰をされたり、3年目にはマネジメントを行う役職に就く方もいて、結婚・出産も同時に行っています。

「両立不安」を払拭する取組みは、企業にとっても必要なことです。どんなに制度が整っても、どんなに「できる」と呼びかけても、働く女性自身が意識を変えていかなければ行動に移りません。現在弊社では、企業向けのプログラムも数多く行っています。25歳~30歳前後の社員向けの、ワークとライフを合わせた長期的なキャリアを考え、体験を行うプログラムです。受講後は、両立のイメージだけではなく、自分自身の仕事の効率化を実践するようになったり、他者の状況を理解して、組織のしくみを変えるように行動するようにもなります。同様に、復職者向けのプログラムや、管理職向けのダイバーシティマネジメントプログラムも広がっています。

それぞれが「自分らしい」生き方を選択して、自律的に笑顔で働ける。そんな社内環境と教育環境を広げていきたいという想いで、日々仕事をしています。

(「旬刊経理情報」2017年1月1日号より)

堀江 敦子

堀江 敦子(ほりえ・あつこ)
スリール(株) 代表取締役社長
日本女子大学人間社会学部社会福祉学科卒業。大手IT企業勤務を経て25歳で起業。花王社会起業塾に参画。「働くこと」、「家庭を築くこと」をリアルに学ぶ「ワーク&ライフ・インターン」の事業を展開。経済産業省「第5回キャリア教育アワード優秀賞」を受賞。両立支援や意識改革を得意とし、企業や大学、行政等で多くの講演を行う。2015年日経ビジネス「チェンジメーカー10」に選出される。内閣府「男女共同参画会議 重点方針専門調査会専門委員」、厚生労働省「イクメンプロジェクト」、文京区「ぶんきょうハッピーベイビー応援団」など複数行政委員を兼任。