旬刊経理情報 連載『女性リーダーからあなたへ』

第19回 何でもできるようになる必要はない

2018.12.04
太田 麻未
Emotion Intelligence(株) 代表取締役CEO
Winning Women Networkの企画・協力で、旬刊経理情報に『女性リーダーからあなたへ』を連載しています。2018年10月1日号に掲載された記事をご紹介します。

弊社は、リアルタイムでWebブラウザ上のユーザー行動を解析するサービス「ZenClerk」を、ECサイトの運営企業などに提供しています。これは、ECサイトを閲覧しているユーザーの興味・購買意欲をスクロールの動きなどからリアルタイムで推定し、「クーポンがあれば買う人」のみを見分けて配布することで、効率的な配布が実現できるものです。これにより、ECサイトの運営企業は「クーポンのばら撒き」によるブランド価値の低下を防ぐとともに、クーポンがなくても買う人に対する「不要な値下げ」を減らすこともできます。

もともとは弊社に営業として入社し、法人営業などの業務に励んでいたのですが、慢性的な赤字が続いていたことで経営陣とVCやエンジェル投資家との折り合いがつかなくなり、代わって私が代表取締役を務めることになりました。

就任したての頃は経営面や人材マネジメントなどの点で苦労が絶えなかったのですが、「自分を演出家のような視点で客観的にみる」ことで何とか乗り越えることができました。

経営に関しては、黒字化を達成すべく、シンプルに売上をあげること・コストを下げることに取り組んでいき、最近ようやく黒字化を達成することができました。達成した際には、「空気のある世界」に戻ってきたような感覚でした。

代表取締役の仕事をしていてあらためて思うことは、「何でもできるようになる必要はない」ということです。学生時代の勉強に関しては苦手科目を作らないような教育がされることが多いと思いますが、経営という視点からみると成果がすべてであり、不得意なことに苦心しながら取り組む時間は会社や従業員にとってもったいないことだと思います。真面目な性格だと、どうしても苦手なことをなくすことに注力してしまいがちですが、何でもできるようになる必要はなく、自分が得意なことをさらに伸ばしていくことが大事だと実感します。勉強と違って仕事は分担作業なので、各自が得意なことを活かし、各々の能力・個性が最大限発揮され、会社・部署として最大のパフォーマンスを発揮できるのがベストだと思います。

特に女性に関しては、労働時間という点では男性より仕事に時間が割けないので、周囲の方に自分が得意なこと・好きなことを伝え、短い時間のなかでも自分の個性・能力を活かして最大限のパフォーマンスを発揮して、活躍して欲しいです。

弊社もクライアント企業も含めて、世のなかのお役にたてるように頑張っていきたいです。

(「旬刊経理情報」2018年10月1日号より)
(企画・協力 新日本有限責任監査法人EY Entrepreneurial Winning Women)

太田 麻未

太田 麻未(おおた・まみ)
Emotion Intelligence(株) 代表取締役CEO

早稲田大学卒業後、楽天(株)や(株)リクルートで新規事業の立ち上げに従事し、開発案件からマーケティング、セールス案件までさまざまな業務を経験。
2015年にEmotion Intelligence(株)に入社し、2016年に代表取締役に就任。